鈴の本箱

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忘れがたき面影

ベティ・ニールズ8冊目読了。

 『忘れがたき面影』

忘れがたき面影 ハーレクイン・イマージュ

 原題は『A Christmas Wish』。映画でも小説でもそうですが、原題と邦題が全く異なると、読む前に想像する内容が異なることがよくあります。今回の「忘れがたき面影」は、主人公には過去に忘れられない恋人がいるのかしら...と想像したんですが、違いました(笑)

 さて、ネタバレですが、今回もヒーローは、オランダ人医師でベントレーに乗ってます。たまにはBMWやポルシェあたりを乗ってくれても良さそうですけどね(笑)。

 主人公オリビアは父が亡くなった後、母親と母方の祖母宅に住んでいます。祖母は二人を住まわせていることを煩わしく思っていてオリビアに愚痴や意地悪を浴びせます。病院の事務員として働くオリビアにはロドニーという証券会社に勤める恋人がいます。

 ある日、オランダ人医師・外科医のハソが、カルテを取りにオリビアの部署にやってきます。これが二人の最初の出会い。後日、もう一度カルテを取りにきます。そのときは、オリビアの同僚デビーも対応します。その頃、病院内ではリストラが実施され、オリビアも退職することになりました。

 恋人のロドニーとの仲は進展せず、ある日ディナーのデートのとき、ロドニーから会社経営者の娘と結婚すると言われます。そのときとっさに私も他に付き合っている人がいると言ってしまったオリビア。互いに気まずくなった雰囲気の中、一人で家に帰ります。

 オリビアが退職後、ハソはカルテを取りにいくとデビーからオリビアの近況を聞かされ、彼女の住むアイリントンへ車を走らせます。

なんとなく、買い物途中のオリビアに会えたらいいくらいに思っていた。それとも、デビーのことで知らせがあるふりをして祖母の家に訪ねていこうか。せめてもう一度オリビアに会えれば胸のつかえが下りるのに、とハソは寂しく考えた

  オリビアがまだ在職中にハソと会ったのは二回だけ。ハソはオリビアに一目惚れしたんでしょう。「胸のつかえ」なんて、恋煩いじゃないですか(爆)

 運良く、買い物帰りのオリビアに会えたハソは、適当な理由をつけてアイリントンに来たことを伝え、二人がおしゃべりしていたときに、ロドニーがやってきます。きまずい雰囲気で別れたことが気になっていたのですが、オリビアの付き合っている人がハソだと勘違いします。ロドニーが去った後、ハソに事情を説明します。その後、二人はカフェに行き、近況を聞き、オリビアが仕事を探していることを知ります。このあたりの展開は、ベティの他の作品でもよくあるシーンです。

 ハソはロンドン郊外の寄宿学校の子供たちの世話役の仕事をオリビアに紹介します。オリビアが新しい仕事にも慣れたころ、一人の生徒ネルの母親リタが、ハソと友人関係であることを知ります。ネルはハソにとても懐いていて、彼は頻繁に学校に訪れます。

 ある日、ハソがロドニーの結婚招待状を見つけます。「お二人でお越しください」と書かれたメッセージに刺激されたハソはエスコートを申し出ます。モーニング姿でバッチリ決めたハソがベントレーから降り立ち、オリビアをエスコートしてロドニーの結婚式の会場へ行くと、周囲はヒソヒソ...。イケメンのハソは注目の的。オリビアはさぞかし気分が良かったはず。それとは対照的にロドニーの結婚相手の描写が妙に手厳しい(笑)

 オリビアはやさしい心根の持ち主だったが、新婦を一目見て不安になった。背が低くずんぐりしていて、白いサテンとレースの中にうもれているように見える。鼻は細長くて大きな目は青く、唇は不満そうに結ばれている。晴れの結婚式だというのに、靴ずれの痛みでもこらえているのだろうか?

  振られた元彼の結婚式に、元彼以上のいい男と一緒に出席し、予想外にも元彼の花嫁がイマイチだったという....。こういう妄想、いいですよね(笑)。

 オリビアの仕事は順調ですが、ハソの紹介とはいえ、資格を持っていないので契約更新できず、また職を失います。クリスマスに祖母の家に戻ったオリビアですが、そこへネルを連れたハソが現れます。学校ではオリビアにとても懐いていたネルがクリスマスプレゼントを届けるためにハソが連れてきたというわけです。そしてオリビアが学校の職を失ったことを知ります。

 さて、このネルの母親リタ。彼女の夫ロブはハソの友人でしたが若くして亡くなっています。家族ぐるみの付き合いだったハソは幼いネルを可愛がっていました。そしてこのリタはハソとの再婚を目論んでいるという設定です。

 娘のネルは寄宿学校だし、何よりハソに懐いている。ハソは裕福で家柄もいいし、イギリスとオランダを行き来して忙しいから、自分は好きなように暮らせると思っているリタは、ハソへのアプローチを続けています。しかし、家庭的ではなく、娘をよく理解しているとも言えない一面があり、ネルは祖母の家やハソと過ごす時間が多いのです。

 ある日、リタともめて家を飛び出したネルはハソの家で過ごすことになり、仕事で忙しい彼はオリビアにネルの面倒を頼みます。こんなふうに、ハソはオリビアの近況を探りながら、少しずつ自分のそばにおいていくんですよね。オランダにあるハソの家に向かったオリビアは、ネルの家庭教師のような感じで過ごすことになります。仕事でハソがいない間も、ハソの母親や弟もいるので、少しずつ家族とも親しくなっていくオリビアです。

 ハソと結婚したいリタは、ハソの家にいるオリビアがますます目障りになってきて、ハソが仕事でいない間に一芝居打ってオリビアをイギリスに帰国させます。ハソとお別れも言えずに帰国することになったオリビアは手紙を書き残しますが、それもリタが隠してしまいます。しかし、ハソの母親がオリビアが手紙を書斎に置いたことを聞いていたので、怒ったハソはリタを問い詰めてウソが大バレ。そしてイギリスに向かってオリビアに事情を説明し、愛の告白とプロポーズでハッピーエンド。

 

 8冊目ともなると、ベディ・ニールズの描く恋愛パターンが見えてきます。王道なヒーローはいつでも胸キュンです(笑)。

 

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