米国ドラマ『クリミナル・マインド』をシーズン11まで1か月近くかけて見まくった。
この作品を見て気になったのは、情報分析官のペネロープの活躍である。メンバーたちの行動分析と地元警察の情報によって犯人を絞り込んでいく過程はお見事といえる。が、一方で、こんなにアメリカの個人情報って丸裸なの?と思えた。犯罪歴はともかく、クレジットカードの購入履歴、学校の内申書、病歴、薬の服用歴などなど、ポンポンとはじき出していく。
ドラマだからこのあたりは脚色しているのだろうと思いつつ、SNSなどのデジタルビジネスを対象にした消費者保護ルールづくりうんぬんのニュースを見ていると、ドラマだけの話ではなさそう。
たまたまTEDを見ていたら、テクノ・ソシオロジストのZynep Tufekiciさんの講演が目に留まった。
現在では、顔認証でうそや感情が読み取れるところまできていて、政府機関も関心を持っているという。現在のコンピュータシステムではデジタル情報の破片から予測できる。非公開データも推測でき、機械学習が何に基づいているかわからないという。そういった中で問われるのが道徳や倫理であることを語っている。
『クリミナル・マインド』しか観てなかったのもあって、アマゾンのお勧め作品に表れてたのがこの二作。
『シチズンフォー』と『スノーデン』。勧められるがまま、この二作品を一気に観た。
『シチズンフォー』はドキュメンタリーなので、スノーデンの口から淡々と語られる話の内容は、こうしてPCを開いてブログを書いてることすらためらってしまう。
彼のインタビューをベースに作られたのが『スノーデン』。
最高機密を扱う組織の中で働いていると、最高指揮者の命令は絶対ではあり、正しい判断であると信じているというより、信じたい、でなければやってられないのである。しかし、心の中で「それはちょっと.....」とシグナルが点滅し、個人的な国への忠誠心と倫理観が葛藤を生む。スノーデンは自己主張する気はなく、こういうことが行われていることに対して国民のみなさんはどう思いますかと静かに問いかけている。
『シチズンフォー』でホテルのベッドの上に置かれていた本が気になって検索してしまった。
『HOMELAND』著者:Cory Doctorow
『リトル・ブラザー』の続編らしい。
それでは『リトル・ブラザー』はというと、コンピュータに強い17歳の普通の高校生が、ある日爆弾テロが起きた後、テロリストの容疑者としてDHSに拘束されるというストーリー。その数年後を描いたのが『Homeland』。
- 作者: コリイ・ドクトロウ,岩郷重力+T.K,金子浩
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/03/10
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あの状況でスノーデンは『Homeland』をどんな気持ちで読んでいるのだろうと思うと、読んでみたくなるが、コンピュータ用語が多く出てくるようだと爆睡本になりそうなので、とりあえずは候補本(笑)。