鈴の本箱

本のこと、あれこれ(覚書)

一般文庫

汚染訴訟

久しぶりのリーガル・サスペンス。 ジョン・グリシャム著 『汚染訴訟』(原題:GRAY MOUNTAIN) リーマン・ショックで揺れているニューヨーク。ビッグ・ロー(大手法律事務所)の一つ、スカリー&パーシングの入社3年目のアソシエイト、サマンサ・コーファ…

老人と海

ハーレクインはちょっとお休み(笑)。 思春期に入ったころに読んだ古典作品を再読。当時、「この漁師のようにあきらめない勇気を持ちたい」などと先生受けのする青臭い感想文を書いていたことを思い出してしまいました。 『老人と海』アーネスト・ヘミング…

沢木興道聞き書き

Twitterの禅botでよく引用されている澤木興道老師の言葉が印象深く、どんな方なのかを知りたくて選んだ一冊。 酒井得元著『沢木興道聞き書き』 講談社学術文庫は、『正法眼蔵』で挫折したのもあって読み切れるか心配でしたが、この本は口語体で書かれていて…

「ハドソン川」の奇跡

2009年1月、ニューヨーク・ラガーディア空港を離陸したUSエア1549便が、バードストライクによってハドソン川に緊急着陸したニュースは今も記憶に新しいところです。サレンバーガー機長の冷静で的確な判断によって乗客全員を脱出させたのはまさに奇跡でした。…

怖くて飲めない!―薬を売るために病気はつくられる

つい最近まで週刊誌各誌が「薬特集」を組んでいて「飲んではいけない」「医者でも飲まない薬」などなど、薬を常用している人にとって不安な文言が踊っていました。 北米に滞在していたとき、ドラックストアの調剤コーナーはいつも人だかりで、様々なピルケー…

通い猫アルフィーのはつ恋

『通い猫アルフィーの奇跡』の続編、『通い猫アルフィーのはつ恋』を読み終えました。 通い猫として暮らしているアルフィーが住むエドガー・ロード。その住宅地に新たな家族、スネル一家が越してきます。その家族はちょっとワケアリで近所住民との接触を避け…

通い猫アルフィーの奇跡

関東地方はやっと梅雨明け。 連日、気が滅入る天気に気が滅入るニュース。下降気味な気分をリフトアップすべく、なんかおもしろそうな本はないかと、何かの雑誌にはさまっていたハーパーブックスのDMを眺めていました。 ハーパーブックスといえば、ご存知、…

駄作

新刊コーナーで見つけた一冊。 ジェシー・ケラーマン著 『駄作』(原題:Potboiler) たまには海外作品でもと思い、けっこう分厚い文庫ならさぞかし読み応えがあるのだろうと期待しましたが、中盤から失速してしまい、だらだらとなんとか読み終えました。(…

ワンス・ア・イヤー

買い物帰りに立ち寄ったブックオフの100円文庫の中から選んだ一冊。 林真理子著『ワンス・ア・イヤー』 フィクションですが、23歳から36歳の14年間の著者の自伝的な小説です。時代は80年代。流行りのファッションや店、ゲーム(パックマン)、車載電話などの…

れんげ荘

群ようこ著『れんげ荘』読了。 45歳、独身で実家住まい、広告代理店に勤めるキョウコ。多忙な仕事を終えて帰宅すれば、世間体第一の母親が待っていて、キョウコに文句や愚痴を浴びせる日々。そんな生活から解放されるため、キョウコは仕事を辞めて、都内の古…

下町ロケット

ドラマ化された池井戸潤の『下町ロケット』今更ながら読了。 ドラマを先に見てしまったので、すでにネタバレ。相変わらずタイムリーに話題作を読めてないことを痛感しながらも、原作は原作なりに楽しめました。 半沢直樹シリーズもそうですが、著者の池井戸…

吾輩は看板猫である (文春文庫)

表紙を見ただけで即買いの一冊。 『我輩は看板猫である』 下町の商店街ほど、猫にとって共生できる理想的な場所はないかもしれません。室内飼いと違って、自分の住む店からの出入りは自由だし、自分の飼い主と付かず離れずよい関係を保ちつつ、近所の店主や…

非色

再読したい本の一冊に有吉佐和子著の『非色』があります。 1967年に初版された古い作品で差別がテーマになっています。現在でもヘイトスピーチやら数々のハラスメントなど、差別に関する問題がニュースで取り上げられているのをみると、誰の心にも「差別」は…

論理思考力をきたえる「読む技術」

積ん読本の一冊、本日読了。 『論理思考力をきたえる「読む技術」』 今年初めに大学生の甥っ子と食事したときに、たまたまセンター試験日が近かった流れから現代文の長文読解問題の話をしたことが、この本を買うきっかけとなりました。 書店にある赤本などの…

一日江戸人

NHKで放送されていた『コメディーお江戸でござる』。ご贔屓の女性演歌歌手目当てに母がよく見ていた番組でした。私は私で、勤め先からまっすぐ帰宅するとちょうど番組が始まるというタイミングだったので、夕食をとりながらなんとなく見ていました。 番組の…

沖で待つ

『芥川賞の謎を解く』の巻末にある過去の候補者と受賞者の一覧が見ながら、女性の受賞作品はまだどれも読んだことがないことに気がつきました。アマゾンで芥川賞作品を検索しながら選んだのがこの一冊。 絲山秋子の『沖で待つ』。 『勤労会社の日』、『みな…

命売ります

十八日付けの朝刊の広告欄に出ていた広告がずっと気になっていて、書店でもおすすめのポップ広告にものせられてしまってつい購入。 三島由紀夫の『命売ります』 能動的に死のうと思ったら死ねなかったから、今度は受動的な方法を考える羽仁男は「命売ります…

第四権力 巨大メディアの罪

経済小説は映像化されている作品も多いので、わりと好きなジャンルですが、高杉良の作品を読んだのはこれが初めてです。 『第四権力 巨大メディアの罪』 行政、立法、司法に次ぐ権力として「メディア」を第四の権力として捉えたものです。でも、メディアは「…

八甲田山死の彷徨

関東地方の梅雨明けが発表になり、夏本番となりました。体温並みの猛暑日にはこんな小説が暑さを和らいでくれそう。毎年夏になると再読したくなる一冊があります。 『八甲田山死の彷徨』 日露戦争の前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験とも言える訓練が…

夢を売る男

なにかと話題の百田尚樹氏の作品。 『夢を売る男』 百田氏の作品はこれが初めてです。 自費出版(作品では共同出版)をテーマに、出版界、作家、作家希望(フリーター、有閑マダム、団塊世代の定年退職者など)の人たちについて、編集長の牛河原を通して、す…

火の粉

初めて雫井脩介の作品を読みました。 書店で平置きされていて人気の一冊となっていて、本書の内容紹介を見ておもしろそうだったので購入。電車の中で読み始めましたが、帰宅してからも先が気になって、その後一気に読んでしまいました。 アマゾンのレビュー…

マネー喰い

新聞を読む側の私は情報を受け身で得ています。でも、新聞記者たちがどのような取材を経て記事にしているのかまではわかりません。政治家を取り囲んでレコーダーを突き出して質問したり、背後に聞き耳立ててメモを取っている姿をテレビで見ても、それだけで…