鈴の本箱

本のこと、あれこれ(覚書)

文芸

メロンと鳩(『群像』10月号より)

隙間時間にすこ〜しずつ読んでいる『群像』10月号。 吉村昭著の『メロンと鳩』(1976年2月)を読了。 「かれ」は冬の雪の降る日に果実店でメロンを買います。それは富夫にあげるためなのですが、富夫は親戚なのかそれとも友人なのか、病気で入院しているのか…

『水』、『丸の内』(『群像』10月号より)

今年、創刊70周年を迎えた『群像』。10月号はその記念号として「短編名作選」です。 その短編作品は全部で54編。創刊から今日まで『群像』に掲載された短編作品をピックアップ。三島由紀夫、太宰治から滝口悠生や川上未映子など豪華な作家が勢ぞろい。長編し…

異類婚姻譚

芥川賞受賞作の一つ、本谷有希子著の『異類婚姻譚』読了。 冒頭、最初の一行目。 ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。 似た者夫婦の話なのかしらと読んでいくうちに、主人公の専業主婦「サンちゃん」と「旦那」の気だるい空…

ままならないから私とあなた

隙間時間に少しずつ読んでいた『文学界1月号』。その中に掲載されていた書き下ろしの作品です。 浅井リョウ著『ままならないから私とあなた』 二人の少女、薫と雪子。2009年から近未来の2022年にかけて、二人の対照的な姿を描いた作品です。 合理性を求める…

スクラップ・アンド・ビルド

羽田圭介著『スクラップ・アンド・ビルド』読了。 広告や書評を先に読んでしまったせいか、読む前と読了後と違う印象を持ちました。(以下、ネタバレ) 主人公の青年、健斗はカーディーラーを退職後、資格試験の勉強をしながら再就職活動中。同居する祖父は…

火花

遅まきながら、又吉直樹著『火花』(文藝春秋9月号)をやっと読了。 普段からお笑い番組を見ないので、芸人とかタレントとかの違いもよくわかっていない私にはこの作品は新鮮なテーマでした。「笑わせる」ことだけを追求していく芸人の苦悩や葛藤が徳永によ…

誰も聞いていない(月刊『図書』第797号より)

今日はお天気がいいので、部屋の整理をしていたら、岩波書店の月刊誌『図書』7月号が出てきました。 図書フェアでもらったもので、読みかけだったことを思い出しながら、パラパラめくっていると、高村薫氏の『作家的覚書』のエッセイが掲載されていました。…

大方言

かかりつけの歯医者さんが結構遠いので、移動や待ち時間は読書タイム。行きの電車の中で読みかけの本を読み終えてしまったので乗換駅の御茶ノ水で「丸善」に立ち寄ると、「炎上覚悟」の赤い字が目に入りました。 百田尚樹の『大方言』 帯を読むだけでも著者…

人間の関係

もうすぐ7月。来週は「東京国際ブックフェア」が開催されます。 2008年7月に行われた「東京国際ブックフェア」で、五木寛之氏の講演を聴きました。講演のお題はこの本のタイトル『人間の関係』。 作家の講演会はこれが初めてでしたが、とてもいい講演でした…