鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

とっておきのキス

 前回読んだ『シンデレラを探して』をきっかけに、ベティ・ニールズのロマンス小説を読もうとマケプレで数冊購入。遅読の私がサクッと読了できたところをみると、私はハーレクイン好きなのかもしれません(笑)

  今回は『とっておきのキス』、原題は『A Kiss for Julie』。

とっておきのキス (ハーレクインSP文庫)

 ヒロインのジュリーが医療秘書を務めるスマイズ教授が退官され、その後任にオランダ人の医師、シモンがやってきます。このシモン、背が高くてハンサムでしかも血液学では世界的権威の医師で…とベッタベタのルックスと肩書きのヒーローです。

 秘書のジュリーに対しては初対面からあまり友好的ではなく、厳しい態度で接します。もちろん、秘書のジュリーは一生懸命働くわけですが、そんなある日、彼の出張に同行することになります。そのあたりから、少しずつ二人の気持ちに変化が訪れるといった展開です。

 出張先はオランダ。彼が運転するベントレーで、イギリスからオランダまで結構な距離のドライブです。いくつかの大学で講演したり、病院を回って診察を行ったり、その多忙なスケジュールの合間に描かれる食事やお茶のシーンが結構多く、読んでるうちに、なんだか紅茶でお腹がダボダボになった感覚に襲われました(笑)

 「運命のいたずら」が起きるのは、ジュリーが病院の屋根のすぐ下にある倉庫のような記録室でファイルを探しているときに火災報知器なり、その場にいた事務員がパニクって慌てて出てしまい扉がしまって開かなくなってしまいました。出られるとしたら天窓だけ。サイレンの音が聞こえ、扉のすきまから煙が流れてきて、ジュリーは机を積み上げ、天窓から出ようと試みます。危うくバランスを失いかけそうになるのですが…。

 「やあ」頭上の暗闇から教授が声をかけ、輝くような笑みを浮かべたジュリーの顔を点灯が照らした。
 「まあ、シモン」思わず名前を呼んでいた。

  世界的権威の医師で多忙を極めるシモンが、救出のために病院の屋上にあがり、天窓から秘書ジュリーを救うわけです。屋根にのぼるシモンを誰もとめなかったのか、そこはふつう消防士でしょとツッコミを入れつつ、これぞ、愛のなせる技といいましょうかハーレクインのヒーローたる所以でしょう(笑)。

 

 さて、ハーレクインのCM「Romance When You Need It」を見つけました。表紙を飾るようなイケメン・ヒーローたちが、読者をロマンスの世界へ連れて行ってくれるという...(笑)。

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