鈴の本箱

本のこと(ネタバレあり)、日々の雑感(覚書)

解約ウォール

 高齢の母親に非常時用にと持たせていたラクラク携帯。最近、それを持っていないことに気づき、聞いてみると後生大事に引き出しにしまっていた。余裕のない私の口座から1年以上料金を払いながら使っていなかったわけで、これ以上ドコモに貢献する気はないので、解約することにした。

無駄足その1

 最寄りのドコモショップに行く。番号札の機械の前に案内係のお姉さんが「今日のご用件は?」と聞かれる。「母親の携帯解約に来た」と告げると1時間以上待つかもしれないと言われたが、待つことにした。

 するとすぐに別の案内係のお姉さんが「必要事項をご記入ください」とアンケート用紙をくれる。そして「解約の手続きですね。あいにく予約のお客様がいて2時間以上待つことになります。今日は解約される方のSIMカードはお持ちですか」と言われ、持ってないと告げるとそれが必要と言われたので、その日は帰る。

 

無駄足その2

 数日後、何時間も待つこと覚悟で出向く。店にいくと、案内係のお兄さんがいて要件を聞く。解約する携帯を今日は持ってきたと告げて、椅子に座って待っていると、ポーラ化粧品のお姉さんが「お待ちの間無料のハンドマッサージはいかがですか」と声を掛けられる。このドコモショップは一体何をやっているのかと戸惑う。

 周りを見渡すとシニアの人たちがタブレットスマホの購入、またそれらの使い方講座で講義を受けている。講師も巧みに使い方を指南しつつ、これがあるともっと便利とマイクスピーカーやらフォトフレームを売り込む。スマホケースも皮張りの高級品がラインナップ。駅前のビックカメラなら安く買えそうなものすら、リッチなシニアは店員の薦められるがまま選んでいる。

 こんな状況の店の中では解約目的の私など、待たされて当然なのかもしれない。案内係のお姉さんがきて前回と同じアンケートを書かされ、それを渡す。それを眺めながらお姉さんが切り出す。

「ご解約ですね。ご本人様はこられないのでしょうか」

「入院してて無理です」とごまかす

「ご本人でないと解約できないんですが...」

「前回来た時、SIMカードが必要と言われてそれだけでいいと思ったんですけど。それに主契約が私であって、私の口座から母親の携帯料金が引き落とされているのに解約できないのですか?」

「名義がお母さまなのでご本人様で解約の形になっています」

 だったら、前回のきたときにそう言えよと心でつぶやきつつ、

「本人が来れないんですよ?それに1年以上も使っていない回線ですし」

 すると少々お待ちくださいと奥に行ってなにやらごちょごちょ。そして

「委任状をお持ちくだされば可能です」

「委任状?じゃ、また出直しですか?2時間以上待たされて出直し....」

「もうしわけありません」

「わかりました。委任状ですね。それからほかに必要なものはないんですか?委任状とSIMカードと他には?」

「はい、それがあれば大丈夫です」

ということで出直すことに。

 

 解約手続きについてネット上で調べてもそこにたどり着くまで多くの壁をくぐらなければならない。「面倒」がキーだろう。つまり、これが解約をあきらめさせる手法なのではないかと思ったのだ。ならば、電話してやる!とコール。もちろんここでも待たされる。やっとつながり要件を伝える。

 「解約についてお尋ねしたいのですが、本人が行けない場合の委任状ですが、その他に必要な書類などはありますか?」

 すると、電話口のオペレーターは委任状のほかに、委任する側、される側の身分証明書が必要と言った。あの案内係のお姉さんは身分証明について言わなかった。確認しなかったら三度目の無駄足を踏むところである。

 

 地元のドコモショップですでに無駄足2回も踏んでいるので、3度目は場所を変え、都内の大学病院の帰りに近くのドコモショップに寄ってみた。

 厚化粧の案内係のお姉さんがやってきた。いつものアンケートに答えると「ご解約ですね。ご本人でないと...。」と言ってきた。

 「委任状と解約する本人と私の身分証明もありますけど」

 委任状をさっと見て返してくれたあと、母のパスポート見て

 「住所が書いていませんね。住所確認できないと、ご本人確認できません」

 「はい?パスポートがダメなんですか?」

 すると奥に行ってこそこそ話している

 「ご本人の確認がとれればいいんですが、ご自宅に電話すれば今いらっしゃいますか?」

 「電話に出ませんよ。オレオレ詐欺とかが怖いといって固定電話にでませんよ。携帯だって使わないから解約しにきたんです」

 「少々おまちください」

 そしてまた奥にいく

 そして戻ってくると

 「今、確認していますので、その間ちょっとご説明させてください」

 「はあ....」

 「あのdポイントカードはお持ちですか」

 「はい」

 「今度システムが変わりまして、こちらのカードになるとポイントが10倍で.....」

 「ああ、システムが変わったじゃなくて、クレジットカードのご案内ですよね。それ、地元のドコモでも説明受けましたよ。私は必要ないのでいらないです」

 「......。あ、あ、じゃ、こちらはスカパーが....」

 「テレビ見ないので、必要ないです。」

 「じゃ、もうしばらくお待ちください」

 解約以外に用はねえ!と心の中で毒をぶちまけている中、奥から別の女性がやってきた。

 「ご解約ですよね。住所の確認ができないと...」

 「解約手続きの来店が今回で3度目で、必要書類をドコモさんのインフォであらかじめ確認してきたんですけど、それでもだめって言われると、どういった身分証明ならいいんですか?保険証や年金手帳とか、それはそれで顔写真がないとダメとかそういうことにならないですか?それに委任状持ってきたのに、必要なさそうだし。」

 「あ、委任状お持ちなんですね」

 「はい、あのお姉さんに最初に見せましたよ」

 「それは大変失礼しました。すぐに手続きできますのでこちらにどうぞ」

 おいおい......。

 言葉通り、解約手続きは15分足らずで完了。

 

 今回の件で、学んだこと:ドコモのお客様案内係のお姉さん(お兄さん)は売り込み重視(ちょっと頭足りない感は否めない)。契約手続きは「簡単」が売り。しかし、解約手続きは「面倒」な壁をどれだけ分厚く高くユーザーの前に築き上げられるかがポイント。そして主契約者は料金を払う人だが、主契約者の家族が解約するときは、名義が本人の場合、本人が解約しない限り、主契約者は黙って料金を払ってろってこと。 解約の壁はことのほか厚く高かった。今後一層高くなると予想される。