鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

人文・教育

女性の自立をはばむもの 「主婦」という生き方と新宗教の家族観

朝日新聞の書評で見つけた一冊。(読了してから大分経ってしまって、内容がうろ覚えな部分もあるが、ご容赦願いたい) 『女性の自立をはばむもの 「主婦」という生き方と新宗教の家族観』 著者 いのうえ せつこ (著) 女性の自立をはばむもの:「主婦」とい…

勉強法 教養講座「情報分析とは何か」

ユーチューブの「日経テレ東大学」が終わってしまい、次は何を見ようかと右バーに並んでいるサムネールにホリエモンと佐藤優の対談があってなんとなく見ていた。 www.youtube.com 内容はワクチンの話題だったが、あのホリエモンが「さすが、ロシアは詳しいで…

受験必要論

購入したのは数か月前で、隙間時間に少しずつ読んで、今日、やっと読了。 『受験必要論』(林修 著) 受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る (集英社文庫) 作者:林修 集英社 Amazon 病院帰りの丸善で衝動買いしたもので、このインパクトの強い表紙に「カバ…

LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる

あけましておめでとうございます。 今年、最初の投稿である。昨年は読書量が少なく、今年はそれを少しでも上回るようにしたい。 昨年から隙間時間にすこしずつ読み進めているのが、 『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる 』(ケイト・マーフィ著、松…

こうやって、考える

以前から読んでみたいと思っていた外山滋比古の著作は数多く、どれを選ぶか迷いに迷ってきた。たとえば、ロングセラーの『思考の整理学 (ちくま文庫)』は、書店で何度か手に取ってパラパラとめくってみたが、読み切る自信がなく毎回見送っていた。他を探して…

透明水彩画

私にとってユーチューブの良さは自分に合った学び方を探しやすくしてくれたことである。 例えば、手芸。母が友達に誘われて通った編み物教室は最初に道具一式、毛糸も指定の店で買わされてずいぶん散財した。数年通っていたが、買った道具をすべて使い切った…

自分の行いは自分にかえる

あけましておめでとうございます。 一般に黄金律と呼ばれる聖書の一節 なにごとでも人びとからしてもらいたいことは,すべてそのとおり人びとにもしてあげなさい (マタイ7:12、ルカ6:31) 学生時代、『キリスト教概論』の授業でこの一節を知り、「あなたがた…

整理整頓

年末、掃除や整理整頓に励むが、いまひとつ能率が悪い。自分の頭の中が整理されていないのが原因なので、参考になる本を検索する。「超」がつく整理本が目につくなか、ちょっと驚いた本があった。 『学校では教えてくれない大切なことシリーズ 整理整頓』 旺…

新ロシア語習字帳

最近、ふと気が付くと「ロシア」づいている。前回の記事にも触れたが、お気に入りのクラシック音楽の作曲家や演奏家はロシア系が多く、かぎ針編みでおしゃれな編み図を見つけたらロシア語表記だし、フィギュアスケートの衣装がすてきだなと思うとロシアの選…

夜船閑話

難病治療を始めて数年が経ったが、今も薬の副作用と更年期症状、そして梅雨に入って体調は絶不調。とはいえ、コロナのワクチンすらためらっているのに、これ以上やたらと薬は飲みたくない。 そうなると、あとは怪しい民間療法?それとも気合?おばちゃん思考…

苦悶のkumon

ステロイド服用が2年経過し、副作用のつきあい方も慣れてきたが、くすりのせいなのか、加齢のせいなのか、頭の回転の鈍さを実感するようになった。 きっかけは2月上旬に新聞記載された難関中学校の算数問題。第一問の計算問題に挑んだが正解に到達できない…

令和時代の校長講話66実例集

新型コロナウィルスの影響がますます大きくなっている。3月冒頭からの学校休業で卒業式に関する計画変更を余儀なくされ、卒業する生徒さんはもちろん先生たちも困惑されただろう。 2年前にブログに書いた『校長式辞12か月』。もし、このような本を参考(…

母という病/父という病

久しぶりの投稿。ブックオフで同じタイトルが8冊並んでいて目をひいた。「へぇ、多くの人が読んでるけど、辛くて手放したのかなぁ」と思いながら手にした一冊。 この本についてなかなか考えがまとまらないのは、自分の中のもやもやが整理つかないせいである…

食えなんだら食うな

誕生日にはいつも本を買おうと決めている。お盆生まれなので、仏教系の本が目に付く。キラキラ言葉のタイトルが多い中、ストレートなタイトルと赤く編集された頑固そうな僧侶の表紙につい手が伸びてしまった一冊。 『食えなんだら食うな』 関 大徹著 70年代…

ステロイド薬治療

免疫疾患で服用中のステロイド。副作用は覚悟していたものの結構キツイ。ムーンフェイスをはじめ、耳鳴り、発汗、食欲亢進、筋痛、etc...。 ステロイドの副作用についてブログやスレッドをのぞいては、同じ辛さをそこで共有できるのは同病相哀れむではないが…

詳説 政治・経済(山川出版社)

以前、山川出版社の『政治・経済用語集』のブログ記事を書いてから3年近く経ちました。新聞やニュースでわからない言葉を調べるのに今も役立っている一冊です。 オープンキャンパスの案内が大きく新聞紙面を占め、入試情報もチラホラ目にする機会が増えまし…

「毒親」の正体 ――精神科医の診察室から

『ジェイン・エア』が続きましたので、ちょっと一休み。 新潮新書のツイートで知った一冊。 『「毒親」の正体 ――精神科医の診察室から 』 水島広子 著 精神科医の精神医学的事情という視点から書かれた「毒親」についてです。 「はじめに」で、お願いが書か…

校長式辞 12カ月

受験シーズンもそろそろ終わりに近づいて、卒業式シーズンを迎えますね。 書店に行くと早くも入学シーズンに向けて小学生向けの辞書や就学前の準備ドリルなどの平置きも目を引きます。桜のモチーフで飾られた教育関連の雑誌の棚で見つけた一冊。 『校長式辞1…

運と縁

「『運』や『縁』の言葉を使って短かい文を作りなさい」という問題があるとしたら、私はこう回答するでしょう。 私は運がない。 私は医者と縁がない。 それに関するエピソードをいくつか書いてみたくなりました。 「私は運がない」シリーズ <その1> 3つ…

道は開ける

私にとって「困った時の」一冊。 『道は開ける』デール・カーネギー著 気分の波によって些細なことで悩み始め、ずんずんと深みにはまるときがあって、なにも解決を得られずに時間を無駄に過ごしてきました。相談できるような親しい人もいないし、最終的にデ…

キレる私をやめたい

キレやすい人を見たとき、若い時はただドン引きするだけでしたが、年齢を重ねるにつれて、私もいずれこうなっちゃうのかな…と思うようになり、現在に至っては身近なことに感じます。 つい最近、キッチンのシンクに向かって小鉢を力いっぱい投げつけて粉々に…

他人を支配したがる人たち

どんな場所でもやっかいな人はいるものですが、つい最近まで、近所の年配女性(以下、Aさん)にかなり悩まされました。なんとか対策はないだろうかと、手にとったのがこの一冊。 『他人を支配したがる人たち』ジョージ・サイモン著 秋山勝訳 原題は『In shee…

沢木興道聞き書き

Twitterの禅botでよく引用されている澤木興道老師の言葉が印象深く、どんな方なのかを知りたくて選んだ一冊。 酒井得元著『沢木興道聞き書き』 講談社学術文庫は、『正法眼蔵』で挫折したのもあって読み切れるか心配でしたが、この本は口語体で書かれていて…

わたしは猫の病院のお医者さん

猫のストーリーを読んだせいなのか、飼ってもいないのに「猫」がマイ・ブームとなっています。 「かわいい〜」とか「癒されるぅ〜」と引き寄せ本に目が行きがちですが、一方で猫の野生的な一面といいましょうか、生態や行動についてはあまり知りません。「猫…

ほっとする禅語70

お盆生まれの宿命といいましょうか、今年も誕生日のロウソクの代わりに仏壇のロウソクを灯す日がやってきました。お線香の香りに包まれて誕生日を祝ってもらっていたわけですが、年を重ねるにつれ、悟りを開きたくなるのか、今年は禅語の本を読みました。 『…

100分de名著(人生の意味の心理学)

今さらではありますが、2月のEテレ「100分de名著」でアドラーの『人生の意味の心理学 What Life Should Mean to You』をなんとなく見ていました。 第3回目だったか、対人関係について岸見一郎氏が解説していました。承認欲求や共同体感覚など、興味深い内…

類語国語辞典

以前から欲しかった類語辞典。最近では書店であまり見かけなくなってしまいました。入学シーズンのこの季節「辞書を読む」プロジェクトを知り、そのブックフェア開催店の地元の書店に出かけました。 角川の類語国語辞典は実物をまだ見たことがなく、フェアの…

毒親の棄て方

最近、親子関係の事件が多い気がします。書店に行くと家族問題を取り上げた書籍が平積みしてありますし、昨日もこの下書きを書いているときに、ネットで40代の娘が80代の実母を杖で暴行し死亡させたニュースがありました。こうした高齢の母親の場合「介護疲…

読書について

光文社古典新訳文庫のショーペンハウアー著『読書について』読了。この作品は岩波と光文社で出版されていますが、新訳というので光文社を選びました。 「自分の頭で考える」、「著述と文体について」、「読書について」と三部構成。 ここでは「読書について…

こころの旅

自分の二十代を振り返ると、やたらと悩んでばかりいて、自分のキャパが小さいためか、熟考を重ねる余裕もなく、まるで即効薬を求めるように、手当たり次第、本を読み漁っていました。 当時、紀子様の愛読書ということで話題になっていた神谷美恵子『こころの…