鈴の本箱

本のこと、あれこれ(覚書)

億万長者の調教術

 久しぶりにハーレクイン・ネタです。

 『億万長者の調教術』画:藤木和子 原作:イヴォンヌ・リンゼイ

億万長者の調教術 (ハーレクインコミックス・キララ)

 前回も「億万長者の〜」というタイトルだったような...(笑)。

 (以下ネタバレ)

 リチャードの会社が主催するポロ大会で、彼は馬の調教師のキャサリンと出会います。離婚したばかりの彼はポロ・シーズン中は気楽な関係を楽しむつもりです。ある朝、乗馬姿のキャサリンに魅せられて、何度もデートに誘いますが、そのたびに答えは「ノー」。

 ポロ大会のVIPテントでバイヤーたちの相手をしているキャサリンのドレスアップした姿を見てリチャードはますます彼女に興味を持つのですが、そんなとき彼女の父親に関するよくない噂を耳にします。そんな噂が浮き立つ中で、キャサリンが涙をこらえて会場を出る姿を見たリチャードは後を追って慰めます。

 それをきっかけに二人は初デートへ。キャサリンはひと夏だけの関係と割り切りながらも、二人は急速に仲が深まります。リチャードは父親との確執がありましたが、キャサリンのさりげない一言で父親との関係が修復され、彼女のことを本気で考えるようになりました。ポロ・シーズンの終わりが近づくにつれて、キャサリンは「しょせん住む世界が違う、リチャードが仕事に戻れば私たちは終わる」と思い、別れようとするのですが、リチャードが告ってハッピーエンド。 

 原作は『サマー・スキャンダル1』の二部構成で二人の作家が書いています。第一部はリチャードの共同経営者セバスチャンがヒーローの『退職願は恋のはじまり(CEO’s Summer Seduction)』(著者キャサリン・ガーベラ) 第二部がこの『億万長者の調教術』です。

サマー・スキャンダル〈1〉 (ハーレクイン・ディザイア)

 原題は『Magnate’s Mistress-for-a month』。億万長者というよりビジネスで成功した大物といった感じですね。イギリス英語の「mistress」は女性の権力者とか女性教師の意味もあるので、調教師も含まれるのでしょう。

 ハーレクイン小説のカテゴリーは、昔、官能的すぎてドン引きしたあの「ディザイア」。今はドン引きするような年齢じゃございませんが、濃厚な表現は健在でございます(笑)。

 ちょこっと抜粋しますと、森の泉で馬を休ませたときに二人がキスをするシーン。

 コミックは美しい画で伝えてくれます。

 f:id:mtwood:20171014154814p:plain

  コミックではキャサリンの表情によってリチャードの衝動が描かれていますが、小説になると彼女の身体をじっくり観察しながら妄想にふけています。

 完璧な姿勢で鞍にまたがるキャサリンに彼は視線をさまよわせた。彼女の体はしなやかで力強い。あの体が僕に触れられてどう反応するか知りたい。毎朝、ぜひ知りたいという熱い欲望に身を焦がして目が覚めるのだ。恥ずかしがるだろうか。自生して無反応だろうか。それとも主導権を握り、馬と一体になるように難なく僕を乗りこなすだろうか。

  言葉の表現を間違えたら、ただのエロ野郎になりそう(笑)。

 さらにリチャードがキスをしているときの脳内は...

血管に火がつき、炎が体の内外を這い、熱に焼き尽くされそうだ。体の中の炎は熱い溶岩となり、思考も意識も溶かし込んでゆっくりと流れていく。すばらしく鮮烈な感覚だ。ただキスをしているだけなのに。いや。これはただのキスじゃない。魂の交わりだ。

 「魂の交わり」の後、突然雨が降り出し、雨宿りに駆け込んだ納屋で二人が結ばれるシーン。コミックでは定番の花をバックに美しいシーンにまとめております。

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 小説は、最初から終わりまで「交わり」の全てを数ページに渡って詳細に描かれています。避妊具の装着まで書かれているので、どれだけ濃密かはご想像できるかと...(笑)。リチャードがそれだけ夢中になったわけで、最後はハッピーエンドによってきれいにまとまってめでたしめでたし。

 英語版の表紙はやっぱりセクシー。

Secrets, Lies...and Seduction: CEO's Summer Seduction\Magnate's Mistress-for-a-Month (Harlequin Desire)

  コミックの評価は日本語版・英語版ともに高いのは画力と要約力だと思います。海外のレビューをあまり気にしたことがなかったのですが、今回「Goodreads Reviews」で見つけたコメントを見るとイマイチな評価。

 Richard doesn't care if Catherine is mentally interested, he knows she's attracted and won't stop until he gets her into bed. It irritates me just a little that he never stops to wonder whether she's on board with a casual fling. And she's awfully quick to abandon her principles

Actually it's a silly Romantic ! 
more like childish , not Relation between woman in 26 and man in 37 . 
so silly .

  初デートで「魂の交わり」から「交わり」へのプロセスが軽く見えたのかもしれませんね。レビューを見ると様々な恋愛観がちょっと垣間見れる気がします。それもハーレクインの良さかもしれません。

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