鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

小さなうたがい

ACジャパンのCMで流れた『こだまでしょうか』で金子みすゞの作品が注目されてからか、かわいい絵本や装丁が施された作品集や詩集が書店に並ぶようになりました。 ときどき、詩の一節だけが一人歩きしているときがあります。 『わたしと小鳥と鈴』 わたしが両…

芥川賞の謎を解く

『文藝春秋』の「芥川賞発表と受賞作全文掲載号」には、候補作の選評が載っています。選考委員たちの文学論がその選評を通して垣間見れて、作品より先に読んでしまいます。 その選評を全て読み込み、賞の裏側を描いた一冊。 『芥川賞の謎を解く』 『芥川賞』…

大方言

かかりつけの歯医者さんが結構遠いので、移動や待ち時間は読書タイム。行きの電車の中で読みかけの本を読み終えてしまったので乗換駅の御茶ノ水で「丸善」に立ち寄ると、「炎上覚悟」の赤い字が目に入りました。 百田尚樹の『大方言』 帯を読むだけでも著者…

命売ります

十八日付けの朝刊の広告欄に出ていた広告がずっと気になっていて、書店でもおすすめのポップ広告にものせられてしまってつい購入。 三島由紀夫の『命売ります』 能動的に死のうと思ったら死ねなかったから、今度は受動的な方法を考える羽仁男は「命売ります…

ぽたぽた (名作童話集)

三木卓の短編童話集『ぽたぽた』 主人公リョウが身近な生き物と交流したり、生活の中で感じた素朴な疑問を描いた作品集です。ほのぼのした作品のほかに、わりとシュールな作品もあります。私が特に印象に残ったのはこの二作。(以下ネタバレ) 『びょうき』 …

穴埋め

地元の書店には、夏休みの課題図書がまだ平積みされています。 私が小学校の時は課題図書の読書感想文は全員提出だったので、夏休み初日には多くの生徒が近所の本屋に行き、狭い店内には課題図書を抱えた子供たちがレジの前に列を作ったものでした。 今から…

すばらしい墜落

ニューヨークに暮らす中国系移民の生活を描いた短編集。 ハ・ジン著の『すばらしい墜落』 著者のハ・ジンはアメリカの中国系作家ですが、アメリカ生まれではなく、中国の大学で英文学を学んでいます。(この作品のオリジナルは英語で書かれたものです。) 私…

ぼくがぼくであること

岩波書店の目録から選んだ一冊。主人公の秀一に親近感を感じました。 『ぼくがぼくであること』(岩波少年文庫) 1969年の作品。昭和40年代の高度成長期、東大闘争、全学共闘会議の時代でもあります。主人公・秀一の平田家は、兄の良一(大学生)、優一(高…

ウォルト・ディズニー―創造と冒険の生涯

8月に入って、夏休み真っ盛り。どこのテーマパークも賑わっているのではないでしょうか。 世界的に有名なネズミの国が日本にオープンした翌年、私はそこの新入社員でした。4月入社式を控え、3月中旬ごろから研修が始まった記憶があります。その少し前に研…

第四権力 巨大メディアの罪

経済小説は映像化されている作品も多いので、わりと好きなジャンルですが、高杉良の作品を読んだのはこれが初めてです。 『第四権力 巨大メディアの罪』 行政、立法、司法に次ぐ権力として「メディア」を第四の権力として捉えたものです。でも、メディアは「…