鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

書類整理

 子供のころ住んでいた団地は一階で、雨が降るとジメジメして嫌だった。それ以来、住むなら少しでも高いところと思うようになり、現在は四階。それでも今年は高温多湿の日が続き、湿度計の数字を見るたび、湿気を呼ぶ紙類にカビやキノコが生えてくるんじゃないかと思えてしまう。

 まずは湿気対策、そう思って書類関連の整理をはじめた。収納棚の一番奥に眠っていたプラスチックケースを引っ張り出し、中身をチェック。コンサートや映画のパンフレットもパラパラめくって「あ~、そういえば見たっけ」と懐かしむほどでもない。暑さで感情も枯渇しているのだろうか。

 そのほか、金融機関の明細をファイルしたもの、気づけばもう何年も経ってるし、留学中のレポートも「思い出」だけど、読み返せば単語の誤りや文法のミスがやたら目につくばかりで、そこから走馬灯のように思い出がめぐってくることもない。

 そして、大きなA4茶封筒にパンパンに入っているもの。最後に勤めていた法律事務所では、翻訳から上がった日本語文章がおかしいと指摘され、自分が手直しするもかなり迷い、躊躇していた。そこで少しでも文章力をあげようと「日本エディタースクール・文章コース」の通信講座をひそかに受けていた。実はカルチャースクール系の文章教室も二つほど受けたことがあるが、個人的にはこのエディタースクールの添削が合っていたと思う。

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 感想文、エッセイ、手紙、人物論、描写、ルポ、批評文、論説文とあって、それぞれ練習課題と実習課題がある。この課題の特徴は「手書き」であること。実習課題で添削を受けた後、「清書原稿」を提出しなければならない。かなりアナログな手法で面倒臭さはあったが、自分の書く一文字に注意がいく点ではよかったと思う。

 月1ペースの提出で、通勤時間、昼休みにテキストを読んだり、ドラフト作ったり、そして自宅に戻って原稿に向かうという感じ。実習課題の評価は〇Aが最高点で、A、B、Cと続く。採点が甘いのかAをいただくことが多く、学生時代に縁のない高得点が嬉しくてとっておいたけど、もういいかなと...。

 よく指摘されていたのは漢字や熟語の誤用で、「辞書を引くクセをつけよ」と赤ペンで書かれている。すっかりインテリア化した書棚の紙の辞書をながめつつ、シュレッダーがないのでハサミでチョキチョキ裁断しながら、辞書を引くことすら億劫がるようになった自分の怠慢さを猛省した猛暑の1日となった。