鈴の本箱

本のこと(ネタバレあり)、日々の雑感(覚書)

通い猫アルフィーと海辺の町

アルフィーシリーズ第4弾

『通い猫アルフィーと海辺の町』レイチェル・ウェルズ著

 

通い猫アルフィーと海辺の町 (ハーパーBOOKS)

(以下ネタバレ)

 読み終わってから一カ月以上経過。ブログを書くモチベーションが上がらないのは、暑さのせいなのか、歳のせいなのか(笑)。

 さて、成熟したアルフィーと、思春期に入ったジョージは期待どおりのキャラ。そしてエドガー・ロードの住人たちも変わらず、穏やかに時間が流れ子供たちも成長しているという設定。こうしたシリーズ化した作品で変わらない環境設定はスッとその世界になじみやすく、さながら親せきのおばちゃん気分で「あら~、赤ちゃんだったのにもうこんなに大きくなったのね」とか「神経質な一面があったけど、丸くなったのね」とか、キャラたちに変化があっても受け入れやすいと思う。

 今回の作品は、亡くなったクレアの大おばさん(大おばの名前もクレア)が住んでいたデヴォンにある家「海風荘(seabreeze cottage)」がクレアに遺されている知らせをクリスマスに受ける。そしてジョナサン&クレア、マット&ポリー、フランチェスカ&トーマスの3家族で出資して彼らの別荘にしようという計画が持ち上がる。

 翌年の夏にみんなで海辺の町へ出かけ、リノベーションというかリフォームをしながら海を楽しむことになり、アルフィージョージも同行。

 海辺の町デヴォン・リンストー中心なので、エドガー・ロードの猫たちの出番は今回は少ない。出発前にアルフィーはガールフレンドのタイガーに挨拶にいき、タイガーにとっては六週間の留守は不安な長期間でもある。

 「海辺で会った子と駆け落ちしないでね」とか、「ジョージのことはお願いね」とか切ない女心がチラリ。そしてちょこっとラブトークが入ると、ハーレクインのハーパーブックスだわ~と勝手に思う。

 「寂しくなるよ、タイガー。戻ってきてまた会うのを楽しみにしてる」今の気持ちをどう表現すればいいのかわらかないが、努力してみた。

 「そうね。でも、わたしのこと忘れないでね。世界中のキャットフードより愛してるわ」

 「ぼくはイワシより君が好きだよ」

 ぼくはタイガーの首筋に鼻をすり寄せた。それからしばらく心地よい沈黙のなか、寄り添っていた。

 日本のネコならば、「チュールよりも好きだよ」とか「かつおぶしより愛してる」とか、それはそれで説得力がありそう(笑)。

 さて、デヴォン・リンストーにやってきた彼らは、ポリーが先頭にたってさっそく海風荘のリノベーションにとりかかる。ここで新キャラ、美しい隣人アンドレアとその娘たちと飼い猫シャネル登場。

 アンドレアはクレアたちの海風荘を買い取る提案をするが、拒否されるとリノベーションの邪魔をはじめたり、嫌がらせをしてクレアたちをリンストーから追い出すようなことをはじめる。その理由がわからないクレアたち。アンドレアの娘たちもクレアたちの子供たちにいじわるで、地元の子供たちにも威圧をかける。

 アルフィーはそんな様子を察し、アンドレアの飼い猫シャネルにお近づきをはかるがぴしゃりとはねのけられる。が、そんなシャネルにジョージが一目ぼれ。ジョージにとっては年上の女。「シャネルはきっと僕が好き」と脳内に花を咲かせたジョージにアルフィーは手を焼く。

 一方、海風荘のリノベーション作業員の一人リーアムもアンドレアに惚れていて、彼女の片棒を担ぎ、作業中に天井や水道管に穴をあけたり、窓を割ったりとわざとヘマをして作業を遅らせるたびにクレアたちはハラハラ。その間、フランチェスカとトーマスの店の問題が上がり、海風荘の出資金が出せなくなるかもしれないという不安要素も加わり、三家族が互いに気遣いなんとなくギスギス。

 クレアたちが来る前、空き家だった海風荘に住み着いていた野良猫のギルバードの存在に気づいたアルフィーは、警戒心の強いギルバードと親しくなろうと努力する。そして心を開いてくれたギルバートに協力してもらい、リーアムを見張ることにする。

 アンドレアに入れ込んでいるリーアムは最後は放火計画まで協力してしまい、クレアの息子がもう少しで巻き込まれるところとなる。アルフィーとギルバートのおかげでボヤでおさまり、ここでアンドレアがなぜここまでクレアたちに嫌がらせをする理由が明らかになる。

 アンドレアとクレアたちの問題は解決したが、だからといってアンドレアの飼い猫シャネルがジョージを受け入れることはなく、しつこく追い回すジョージから逃げ出したシャネルは海辺のボートに隠れ、運悪くそのボートが満ち潮に流されシャネルはボートの乗ったまま海へ。そのとき知り合った雌猫リリーも、アルフィーに協力。アルフィーの人徳、いえ猫徳に感服。

 アルフィーはクレアたちに知らせ、ジョナサンたちがパドルボードを使って無事に救出。アルフィーはこの事態を引き起こしたジョージを厳しく叱りたいが、まだシャネルをあきらめていない脳内お花畑状態なので効果なし。

 この一件で知り合ったリリーは引っ越してきたばかりで最近まで外出できず、早く外に出て友だちを作りたかった矢先にアルフィーたちと知り合えた。アルフィーはリンストーにいない間はリリーがギルバートの話し相手になってくれるのではと期待する。

 ジョージの恋は実りそうもなく、どこまでもシャネルにはねつけれられてしまうのに、スーパーポジティブなジョージはもしや究極のMではないのかという印象しか残らない作品になってしまった。やはりエドガー・ロードが舞台の方が個人的には好きである。

 今回、ハーパーコリンズ・ジャパンがアルフィー・シリーズのプロモーションを展開した。アルフィーだけがキャラクター化して、ストーリーがおいてきぼりになるのではないかと思うが、作品の存在をアピールするには効果的があったかも。

 ***今回からブログ記事の文体を常体に変えました。以前にも増して読みにくい点もあろうかと思いますが、よろしくお願いします。***