読み終えてからかなりの日数が経ってしまいましたが、ベティ・ニールズ6冊目読了。
『聖夜に祈りを』
原題は『Always and Forever』。「いつも変わらず永遠に」というタイトルだけでハッピーエンドを予感させてくれます。
いつものネタバレですが、まとまりが悪くて長くなりそうです。
主人公アマベルはイギリスの地方の村で母親と二人でB&Bを経営しています。その夏は母親がカナダに住む姉のところに行っているのでアマベル一人で切り盛りしています。
ある嵐の日、一組の親子の来客が現れます。それがヒーローのオリヴァーと彼の母親です。ロンドンに住む外科医で背が高くてハンサムで…の彼はロールスロイスでドライブに出かけた帰りに嵐にあったためこのB&Bで一泊することになったのでした。これが二人の出会いです。
その後、アマベルの母親がカナダ人男性と再婚し、帰国後はB&Bを廃業し農園を経営することを知らされてアマベルは不安になっているところに、オリヴァーが再び訪れ、彼女を励ますのでした。
母たちの帰国後、継父とアマベルの折り合いは悪く、飼っていた猫と番犬に暴力をふるったのを機にアマベルは二匹をつれて家を出て、ヨークに住む父方の伯母の家にいきます。伯母のミス・パーソンズはアマベルを歓迎し好きなだけいてもいいといいますが、実はこの冬にイタリアの旅行を計画していたことを近所の人たちから聞き、アマベルはすぐに就活しますがうまくいきません。
ロンドンにいるオリヴァーはアマベルのことが気になって再びB&Bへ向かいますが、母親から叔母宅にいることを聞いてすぐにヨークへ向かうのでした。
ここでライバル登場。美しいミセス・ミリアム・ポッター・ストークスという未亡人。なんとかオリヴァーの関心を引こうとあの手この手とアプローチ。あるとき、彼女の友人ミス・トレントがヨークのシャンブルズ通りにお店を持っていて、店員を募集していることを聞いたオリヴァーはそれをアマベルに知らせます。
オリヴァーとアマベルの関係を知らないミス・トレントはアマベルを採用します。
一方、外科医としてのオリヴァーはクリスマスが近づくにつれて多忙な中、ミリアムとの外出の機会も増えてきます。仕事でクタクタに疲れて帰ってきたある日、彼女から劇場へ一緒に行き、その後夕食との誘いを受けます。そのとき、オリヴァーは彼女の将来計画に巻き込まれようとしていることに気づくのです。誘いを断ったオリヴァーはすぐに二日間の休暇をとり、ヨークに行くことを決めます。
伯母宅を訪ねたオリヴァーは、アマベルが住み込みで働いていることを知りその店へ向かいます。店にはアマベルしかおらず、オリヴァーは夕食に誘います。そこへ、オリヴァーと面識がないミス・トレントが店に戻ってきて、オリヴァーがミリアムを知っていると聞き、すぐにミリアムに電話を入れます。
アマベルのことが気になるオリヴァーは彼女が住んでる部屋を確認したり、ヨークにいる二日間は時間を見計らって食事に誘ったり周辺を散歩したり楽しい時間を過ごします。部屋を見せるときにアマベルはためらうのですが、このときオリヴァーは言います。
「ナイジェリアにこういうことわざがある。”真の友人は両手でしっかりつかめ”。僕は君の”真の友人”のつもりなんだ、アマベル」
頼りになる友人ができてアマベルはとても喜ぶのです。
ミス・トレントは二人の様子をミリアムへ逐一報告。嫉妬でキレまくるミリアムはアマベルを解雇しろと言い出す始末。滅多に泣かないミリアムのお願いにミス・トレントは折れてしまいます。急遽解雇されたアマベルは、安宿に二泊できたものの、その後出されて宿無しとなるのです。
一方、ミリアムはロンドンに戻ったオリヴァーにせまりますが、さりげなく断られてしまいます。
「君と一緒に出かけるチャンスを待ち焦がれている男性なら、おおぜいいるじゃないか」
「でも、みんな、あなたじゃないわ」ミリアムは軽やかに笑った。
「あなたを人に渡すつもりはありませんからね、オリヴァー」
彼が驚いたように眉を上げるのを見て、彼女は自分の失言に気づき、すぐさま言い添えた。
「だって、あなたみたいに完璧なエスコート役は他にいないもの」
ミリアムは望み薄いのに失言はイタイ(笑)。
再び店に行ったオリヴァーは彼女が辞めたことを聞き、アマベルを探し出します。アマベルは救世軍の宿泊施設に向う途中、教会にいたところをオリヴァーが見つけ、憔悴している彼女をホテルへつれていき休ませるのでした。ここでは紳士なオリヴァーは別室をとり、手は出してません(笑)
翌朝、オリヴァーは彼の伯母レディ・ヘイルフォードの住み込みの仕事をアマベルに紹介します。レディ・ヘイルフォードは卒中の後遺症で少し気難しいのですが、アマベルを気に入ります。
「年寄りの相手ばかりじゃ疲れるだろうから、ときどきアマベルを連れ出しておやり」と伯母から言われたオリヴァーはアマベルを誘える絶好の口実ができたわけですが、アマベルは伯母から頼まれた義務感からなのかとモヤモヤ….。
一方、誘いを断られてばかりのミリアムはアマベルがレディ・フェイルフォード邸にいることを知り、二人が頻繁に会っていることを知り嫉妬がメラメラ。対策を講じようと、ミリアムの母親がレディ・ヘイルフォードと知り合いだといって見舞いに行きます。
レディ・ヘイルフォードからミリアムを周辺を案内するように言われたアマベルは二人で散歩に出かけます。そのとき、ミリアムはオリヴァーと結婚する予定であることを告げます。彼は医者として困った人をみると助けずにはいられないたちだから、勘違いする人も多いとまで言い出し、ミリアムの嘘八百攻撃に、アマベルは動揺してしまうのでした。
これでアマベルが身を引くと思ったミリアムは満足するのですが、これを引き金にアマベルは自身の中に芽生えたオリヴァーへの思いに気づいてしまうのです。よそよそしい態度をとりはじめたアマベルにとまどうオリヴァーですが、ミリアムが訪ねてきたことを知り、ロンドンに戻った彼はミリアムに話を聞き出し、きっぱり振ってここで彼女は撃沈です(笑)。
オリヴァーがロンドンに帰った後、アマベルは継父から母親が倒れて入院したが、退院後の面倒を見る人がいないと連絡を受けます。実家に帰ると、継父が必要ないと家政婦を雇っておらず、家事をやらせるためにアマベルを呼び寄せたのでした。母親はかなり回復しているのに、具合悪いといってアマベルを引き止めます。
数週間過ぎて、レディ・ヘイルフォードを訪ねたオリヴァーは実家に戻ったアマベルの連絡が取れなくなっていることを知り、実家へ向かいます。そして、ひどく疲れたようすで台所仕事をしているアマベルを連れ出すのですが、ここでオリヴァーが母親と継父にビシッと言うんですよね。これがもう、かっこいいとしか言いようがない(笑)
その後、二人は互いの気持ちを確かめあって、ハッピーエンド。
今回のヒーロー、困った時に現れ、問題解決能力、行動力、洞察力、経済力、包容力とオールAじゃないでしょうか。今回、愛車はロールスロイスと渋め。これもまたハンサムなヒーローが乗ると素敵なんですよね、きっと(笑)