鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

巨大訴訟

リーガル・サスペンスジョン・グリシャムの作品

『巨大訴訟』

巨大訴訟(上) (新潮文庫)

 大手製薬会社のコレステロール低下剤をめぐって、小さな法律事務所がお金目当ての集団訴訟を起こします。大手事務所を飛び出したディビッドがひょんなことからその小さな事務所に勤めることになり、その訴訟案件に関わっていきます。

 ディビッドと頼りにならないパートナーたち、大手事務所の辣腕女性弁護士、製薬会社の社内弁護士、ロビイスト、そして大規模不法行為訴訟の弁護士も現れて、裁判に勝てば大手製薬会社が巨額の弁護料をはずみ、負ければ慰謝料と賠償金を払うことになり、哀れな原告たちはそっちのけで弁護士たちのマネーゲームとなっています。彼らの正義の女神テミスが持っている天秤はお金に傾いていると思わざるえないような作品でした。

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