たまにテレビ番組で見かける著者の発言に興味があって購入した一冊。
『人は、なぜ他人を許せないのか』(著:中野信子)
(以下、ネタバレ)
SNS上で、芸能人や著名人のちょっとした行動や発言を、まったく見知らぬ他人がバッシングする現象を脳科学から分析する、という内容。
ネット時代において、自分と異なるものを悪とみなし、客観性に欠けた正義感で匿名で批判できる環境ができている。本来なら、多様性をもたらすはずが、同じ意見を持つ集団によって狭められていると指摘する。
日本社会の特殊性も影響している。個人の意思より集団の目的が優先される。いわゆる群れ社会だろう。
脳科学的にいうと、人間の脳は対立するようにできているらしい。寛容性を養うにはメタ認知を鍛えるとよいとのこと。
私の読解力もあってか、社会的な背景(日本とフランスの違い)についてのくだりは、エッセイを読んでいるようで、さらっと頭の中をすり抜けてしまった。おそらく再読はしないだろう。