鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

選択の余地

 シニアになった今、選択肢が少なくなっていくのを実感する。

 食べ物も衣類も、若い気持ちで選んでも胃袋がついていけないし、体形が「無理!」と言っている。

 先日、大学病院の検診に行った帰りに、伸びっぱなしのヘアカットに行った。母の介護とこの猛暑を考えると手入れしやすいカットがいいと思っていたが、具体的なスタイルが思い浮かばない。

 もともと髪の量が多い。40歳すぎたあたりから白髪が目立ち、50歳を過ぎてうねりだした髪の毛。特に耳の後ろのクセが強くなり、2,3度、流行りのショートカットを試すが、見事にハネ上がって、伸びて落ち着くまで鏡をみるたびため息が出た。

 ネットで同世代のヘアスタイルを検索するとベリーショートかボブが多い。

 ベリーショートを試したことはあるが、高身長なので男に間違えられたことがあった(泣)。となると残るはボブ。ショートやレイヤーはハネるから、ストレートしかない。

 ほっそりした顔なら阿佐ヶ谷姉妹みたいになるだろうけど、ぽっちゃり丸顔となると....安藤なつ?!イルカ?

イルカぐらいの長さにとどめておけば、安藤なつは避けられるかなと思ったりする。

 いざ、カットへ。「どのくらいの長さにしますか?」と聞かれ、当分カットに行かれないと思った私は「思い切って、襟足ギリでお願いします」と言ってしまった。まだ、頭の中はイルカのイメージだが、仕上げを終えて短めの前髪をみたとき、安藤なつっぽい気がしないでもないが、さっぱりした気持ちの方が勝っていた。若い時ほど見た目を気にしなくなったということかもしれない。

 

 シニアでデビューしたのが眼鏡である。初めて作った眼鏡が遠近両用。視力は悪くなく、乱視があるため作ったが、レンズの境目に酔ってしまい、長時間つけられず引き出しの奥に眠っている。

 細かい文字が見えにくいのなら、老眼鏡でいいやと、現在は老眼鏡のみ。通販でいくつも買ってみたが、すぐに壊れたり、フィットしなかったりで、ようやく現在使っている老眼鏡を1.0~2.0まで同じ老眼鏡を3本買った。色は2色しかなく、2.0は読書と編み物用をピンク。一度計ってもらったとき1.25と言われたが、なかったのでPC作業用として1.0と1.5をエンジにしていた。ところが、同じ色を選んだため1.0と1.5の区別がつかなくなってしまった。度数はフレームの内側ですでに消えかかっている。

 そこで、1.5を新調することにした。

 「老眼鏡1.5レディース」で検索すると、フレームは様々だが、色が少ない。

 今や、ランドセルだって女の子は赤、男の子は黒の時代はとっくに終わってカラフルなものが出回っているのに、老眼鏡レディースとなると、柄物を除いた単色系は、ピンク、ゴールドピンク、バーガンディ、ワイン......と限られている。

 ブルー系やブラックを検索するとユニセックスといいつつ、メンズ、いやオジサン系である。ネット検索しても似たり寄ったりなので、実店舗で探すことにした。

 どうせなら、ブルーライトカットレンズがいいな~と思うとメンズっぽい。使っているのがオーバルだが、丸顔なので、スクエアタイプが欲しいが、髪を切った今、安藤なつっぽいのは避けたい。となるとオジサンっぽくなる。レディースはやはりオーバルが多く、色もピンク、ベージュ、ワインばかり。今のご時世ジェンダーフリー。メンズだろうとレディースだろうとどうでもよくなってきた。

 家でかけることがほとんどだし、大事なのはレンズと掛け心地よね、と思い直して選んだ。昭和のサラリーマンっぽいが、手ごろな値段だし、ブルーのフレームも気に入ったし、掛け心地もよい。

 昔に比べればおしゃれな老眼鏡が増えたかもしれないが、いざとなると選択の余地がすくないことを改めて実感したのだった。