鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

本領発揮

 母の退院から10日が過ぎた。ストック杖もうまく使えて歩き方もしっかりしてきた。食欲も旺盛、そしていよいよ本領発揮。頑固、我儘、不貞腐れの三大疾病も復活。

 そして本日、キレた。久しぶりに母にキレた。

 ふと目を離すと、杖なしで歩いている。

 「杖は?」

 「大丈夫よ」

 「って言って、転んだよね、この間。」

 「あのときはまだちょっと、だけど今は大丈夫」

 「大丈夫の根拠は?」

 「あんたに迷惑かけないわよ」逆切れる母

 「こういうのが迷惑なの!!」ってな調子で午前中が終わる。

 そして入浴時。母の居室で服を脱ぎ、下着姿で風呂場に向かうことになっている。

 「『尿パッドは下着を脱いだときに、脱衣所のゴミ箱に捨ててね』ってあれだけいったのに、どうして自分の部屋のゴミ箱にいれるかな?この猛暑で匂うでしょ?臭いでしょ?」

 「私の部屋だもの、臭くたってあんたに迷惑かけてない」

 「かけてるでしょうが!臭いは他の部屋にまで匂ってくるの。衛生面を考えて!だらしないわよ!入院中でもこんなことしたの?」と責めまくる。

 母への忠告は馬に耳に念仏。糠に釘。言うだけ無駄なのに言わずにはいられない。

 「入院中はそんなことしないわよ!」

 「病院でやらないことをなんで家でやるのよ、やめなさいよ!」

 「いいわよ、もう!一人でお風呂にはいるから!」と不貞腐れ攻撃

 「そうはいかないからね!風呂上りに転んで骨折したんでしょうが!退院後も洗面所で転んだんでしょうが!私に怒られたからって不貞腐れんじゃないわよ!」

 「不貞腐れてないわよ!」

 「じゃ、一緒に風呂入るわよ!」

 「わかったわよ!入るわよ!」

 猛暑日で、しかもキレまくった状態での入浴は、私の発汗量が半端なく、風呂上がりに飲んだポカリスウェットは大きなマグカップに2杯一気飲み。大きな試合を終えたような感覚である。

 そして、エアコンで冷やした寝室に連れて行ったころには、母はすっかりご機嫌なのである。

 「あ~さっぱりした。エアコンはいいね~」

 それはよござんした。こっちはグッタリざんす。

 本領発揮の母降臨にどっと疲れが出た私。今日もひんやりパテックスと大好きなMOWが「ごくろうさん」と慰めてくれる。

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