鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

冬のウェディング

ベティ・ニールズ9冊目読了。マーケットプレイスで買いまくった手持ちのベティ作品では最後の一冊となりました。 『冬のウェディング』原題は『Winter Wedding』 これもベディ作品のパターンがあります。ヒーローはオランダ人の医者レニエ・ユレス・ロメイ…

人工知能 

昨年の東京国際ブックフェアで見つけた一冊。今考えると、どうしてこれを選んでしまったのか...(笑)。 『人工知能 人類最悪にして最後の発明』(原題:『Our Final Invention -Artificial Intelligence and the end of the Human Era』) ジェイムズ・バラ…

忘れがたき面影

ベティ・ニールズ8冊目読了。 『忘れがたき面影』 原題は『A Christmas Wish』。映画でも小説でもそうですが、原題と邦題が全く異なると、読む前に想像する内容が異なることがよくあります。今回の「忘れがたき面影」は、主人公には過去に忘れられない恋人…

老人と海

ハーレクインはちょっとお休み(笑)。 思春期に入ったころに読んだ古典作品を再読。当時、「この漁師のようにあきらめない勇気を持ちたい」などと先生受けのする青臭い感想文を書いていたことを思い出してしまいました。 『老人と海』アーネスト・ヘミング…

愛は深く静かに

ベティ・ニールズ7冊目読了。 『愛は深く静かに』 原題は「The Quiet Professor」 「寡黙な教授」というタイトルの通り、今回のヒーロー、オランダ人のヤケ・ファン・ベルフェルトの職業は病理学部の教授で、医師でもあり、そして母国オランダでは男爵とい…

聖夜に祈りを

読み終えてからかなりの日数が経ってしまいましたが、ベティ・ニールズ6冊目読了。 『聖夜に祈りを』 原題は『Always and Forever』。「いつも変わらず永遠に」というタイトルだけでハッピーエンドを予感させてくれます。 いつものネタバレですが、まとまり…

コテージに咲いたばら

年末に読み終えたベティ・ニールズ5冊目。 『コテージに咲いたばら』 原題は『An Innocent Bride』「純真無垢な花嫁」というのは少しベタに思えます。ストーリーでは、コテージに植えられたバラが主人公二人の演出に一役買っているので、この邦題もありだと…

リトル・ムーンライト

ベティ・ニールズの作品、4冊目 『リトル・ムーンライト』、原題も『A Little Moonlight』 ヒロインのサリーナはタイピストとして働いていますが、何かと手間のかかる母親と二人暮らし。臨時の派遣先でマルク医師のもとで働くことになります。このマルク医…

小さな愛の願い

サクサク読めているベティー・ニールズの作品。 続いて読んだのは『小さな愛の願い』。なんだか昭和のアイドル歌手が歌いそうなタイトルですが、原題は『Only by chance』。直訳すると「ただの偶然」とか「偶然なだけ」って感じですかね。 ストーリーはシン…

とっておきのキス

前回読んだ『シンデレラを探して』をきっかけに、ベティ・ニールズのロマンス小説を読もうとマケプレで数冊購入。遅読の私がサクッと読了できたところをみると、私はハーレクイン好きなのかもしれません(笑) 今回は『とっておきのキス』、原題は『A Kiss f…

沢木興道聞き書き

Twitterの禅botでよく引用されている澤木興道老師の言葉が印象深く、どんな方なのかを知りたくて選んだ一冊。 酒井得元著『沢木興道聞き書き』 講談社学術文庫は、『正法眼蔵』で挫折したのもあって読み切れるか心配でしたが、この本は口語体で書かれていて…

「ハドソン川」の奇跡

2009年1月、ニューヨーク・ラガーディア空港を離陸したUSエア1549便が、バードストライクによってハドソン川に緊急着陸したニュースは今も記憶に新しいところです。サレンバーガー機長の冷静で的確な判断によって乗客全員を脱出させたのはまさに奇跡でした。…

シンデレラを探して

部屋の整理をしていたら、いくつかの洋書の中にハーレクインがありました。 カナダでのハーレクイン体験は過去記事に書きましたが、後日談というか、図書館や本屋で立ち読んだハーレクインが情熱的すぎてドン引きだったことを、下宿先のお母さん(ホストマザ…

怖くて飲めない!―薬を売るために病気はつくられる

つい最近まで週刊誌各誌が「薬特集」を組んでいて「飲んではいけない」「医者でも飲まない薬」などなど、薬を常用している人にとって不安な文言が踊っていました。 北米に滞在していたとき、ドラックストアの調剤コーナーはいつも人だかりで、様々なピルケー…

雲水日記

以前、『食う寝る坐る永平寺修行』を読んで雲水さんたちの修行の様子に驚きと感銘を受けたことを書きましたが、禅宗について疎い私は「禅=永平寺の曹洞宗」と思い込んでしまいました。 その後、映画『禅 ZEN』や禅の書物から臨済宗や達磨宗など禅宗にはいく…

メロンと鳩(『群像』10月号より)

隙間時間にすこ〜しずつ読んでいる『群像』10月号。 吉村昭著の『メロンと鳩』(1976年2月)を読了。 「かれ」は冬の雪の降る日に果実店でメロンを買います。それは富夫にあげるためなのですが、富夫は親戚なのかそれとも友人なのか、病気で入院しているのか…

「東京国際ブックフェア」

昨日、「東京国際ブックフェア」へ出かけました。基調講演と宝探し的な感覚で読みたい本を見つけたいという目的で毎年出かけているイベントです。 今年の基調講演は林真理子、湊かなえ、朝井リョウ、茂木健一郎、内田樹と多彩。 今回、林真理子氏の基調講演…

『水』、『丸の内』(『群像』10月号より)

今年、創刊70周年を迎えた『群像』。10月号はその記念号として「短編名作選」です。 その短編作品は全部で54編。創刊から今日まで『群像』に掲載された短編作品をピックアップ。三島由紀夫、太宰治から滝口悠生や川上未映子など豪華な作家が勢ぞろい。長編し…

わたしは猫の病院のお医者さん

猫のストーリーを読んだせいなのか、飼ってもいないのに「猫」がマイ・ブームとなっています。 「かわいい〜」とか「癒されるぅ〜」と引き寄せ本に目が行きがちですが、一方で猫の野生的な一面といいましょうか、生態や行動についてはあまり知りません。「猫…

通い猫アルフィーのはつ恋

『通い猫アルフィーの奇跡』の続編、『通い猫アルフィーのはつ恋』を読み終えました。 通い猫として暮らしているアルフィーが住むエドガー・ロード。その住宅地に新たな家族、スネル一家が越してきます。その家族はちょっとワケアリで近所住民との接触を避け…

ほっとする禅語70

お盆生まれの宿命といいましょうか、今年も誕生日のロウソクの代わりに仏壇のロウソクを灯す日がやってきました。お線香の香りに包まれて誕生日を祝ってもらっていたわけですが、年を重ねるにつれ、悟りを開きたくなるのか、今年は禅語の本を読みました。 『…

通い猫アルフィーの奇跡

関東地方はやっと梅雨明け。 連日、気が滅入る天気に気が滅入るニュース。下降気味な気分をリフトアップすべく、なんかおもしろそうな本はないかと、何かの雑誌にはさまっていたハーパーブックスのDMを眺めていました。 ハーパーブックスといえば、ご存知、…

ビル・カニンガム & ニューヨーク

先月25日に亡くなったフォトグラファーのビル・カニンガム。以前、彼を追ったドキュメンタリーを見たときに、その温厚で細身な姿とタフな撮影活動に感銘を受けて、再度視聴しました。 『ビル・カニンガム & ニューヨーク』 (以下、ネタバレ) ビル・カニン…

駄作

新刊コーナーで見つけた一冊。 ジェシー・ケラーマン著 『駄作』(原題:Potboiler) たまには海外作品でもと思い、けっこう分厚い文庫ならさぞかし読み応えがあるのだろうと期待しましたが、中盤から失速してしまい、だらだらとなんとか読み終えました。(…

ワンス・ア・イヤー

買い物帰りに立ち寄ったブックオフの100円文庫の中から選んだ一冊。 林真理子著『ワンス・ア・イヤー』 フィクションですが、23歳から36歳の14年間の著者の自伝的な小説です。時代は80年代。流行りのファッションや店、ゲーム(パックマン)、車載電話などの…

憧れのお店屋さん

すっかりご無沙汰のブログ。 その理由はただ一つ、どの本も読み終えていないからです。 「雨読」。梅雨こそ読書のはずなんですが、どういうわけかモチベーションが上がりません。今年は積読本をなんとか解消しようと試みているものの、どうしてこの本を選ん…

100分de名著(人生の意味の心理学)

今さらではありますが、2月のEテレ「100分de名著」でアドラーの『人生の意味の心理学 What Life Should Mean to You』をなんとなく見ていました。 第3回目だったか、対人関係について岸見一郎氏が解説していました。承認欲求や共同体感覚など、興味深い内…

ずっしり、あんこ

読むと食べたくなる一冊。 『ずっしり、あんこ』(河出書房新社) 読者登録させていただいているアキ・ラメーテさんのブログで紹介されてからずっと気になっていた一冊でした。 aki-ramete.hatenablog.com 実店舗で現物を見てから買いたいと思いながらずっと…

類語国語辞典

以前から欲しかった類語辞典。最近では書店であまり見かけなくなってしまいました。入学シーズンのこの季節「辞書を読む」プロジェクトを知り、そのブックフェア開催店の地元の書店に出かけました。 角川の類語国語辞典は実物をまだ見たことがなく、フェアの…

猫の広告文

夏目漱石自身が書いた広告(予告)文の一つ。 『猫の広告文』 短い文章なのに、すでにクスッと笑えてしまうユニークさがあります。 吾輩は又猫相応の敬意を以て金田令夫人の鼻の高さを読者に報道し得るを一生の面目と思ふのである。 猫相応の敬意...。人間の…