あけましておめでとうございます。
今年、最初の投稿である。昨年は読書量が少なく、今年はそれを少しでも上回るようにしたい。
昨年から隙間時間にすこしずつ読み進めているのが、
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる 』(ケイト・マーフィ著、松丸さとみ訳)
原題も『LISTEN』。ただ、副題が
You're Not Listening
what you're missing and why it matters
直訳すると、「あなたは聴いていない。あなたが聞き逃しているものが、なぜ重要なのか」ってところかな
最近の日本語訳の副題は宣伝文句に近いようなものが多くて、原題はかならずチェックするようにしている。
原題の副題でもわかるように、この本は「聴く」ことに特化している。「知性豊かで創造力がある人になれる 」とか言う前に、「聴けよ!」という本である。
「聴く」ことについて様々なシーンによる解説は説得力がある
ああ、そうかと納得できる点がいくつもあった
話が正しく聞けないのは「不安やうわべの判断」にとらわれているから
自分が指示しないグループには「恐怖」すら抱いている
人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けること
ときどきユーチューブの「日経テレ東大学」を見ている。今話題の「成田悠輔&ヒロユキ」シリーズを見ているが、成田氏とヒロユキ氏の聴き方は対照的なのでこの本に書かれていることの理解に役立っている。
たとえば、ヒロユキ氏の話の腰を折って自分の有利な方へ展開させていくのは、相手の言うことには関心がなく、自分に有利なキーワードを引き出したいだけで、そこには相手を理解する気は感じられない。一方、成田氏は黙って聞いていて、途中、言葉をはさむのは相手の話をより理解しようとするための質問ぐらいである。
カウンセラーやコーチには「傾聴」の力が必要なのもうなずける。相手を理解するためには聴くしかないのだ。そうでなければ、適切なアドバイスなどできないだろう。
反対意見や耳が痛い話はなかなか聴くのがつらいものがある。つらいと思うのは自分を否定されたように思ってしまうからだ。まずはそういう考えを持たず、異なった意見にどれだけ自分が歩み寄れるかを考えるとまた違ってくる。
相手の発した言葉に何が含まれているのか、相手の伝えたいことは何か、純粋にこれを探るにはひたすら「聴く」に徹するしかないということだ。
老老親子の会話がなされる我が家では、まもなく90歳になる母親の繰り返される同じ話に、還暦迎える娘の忍耐力の低下に伴う聴く姿勢の衰えがみごとに映し出さている。
「傾聴」の力を養うべく、今年は「聴く」ことを大切したいと思う。