猛暑の夏もバテることなく、自己判断で内科診療も行かず、薬も無くなっても絶好調の母だったが、先週あたりからお腹の調子が悪くなっていた。
入浴中に便意を感じないのに漏れてしまい、私以上に母自身がショックを受けていた。その後、便秘と下痢を繰り返し、様子がおかしいから病院に行こうといったが、言うことを聞くわけがなく、食事を減らして自己防衛しながら一週間が過ぎた。
そして一昨日の土曜日。昼頃に入浴したころは元気で、夕食を食べた後もいつもどおり。その後テレビを見ているうちに冷え込んだから早く寝るといって21時前に布団に入った。
夜中に母がトイレに起きたとき、ヒューヒュー、ゼーゼーという音が聞こえて私は目が覚めた。すると母の息が妙に荒い。
「どうしたの?具合悪い?」と聞くと「だるい。寝る」と布団にもぐった。
しばらくヒューヒューと息が聞こえ、やがておさまって寝ている。日曜日の朝、トイレからゼーゼーと聞こえると、母がトイレから出てきた。
「息が苦しいの?すごいゼーゼーしてるよ」というと「息切れする。しばらくすると落ち着く」という。トイレから寝室まで10歩程度の距離だが、全力疾走した後のような息切れである。「病院いったほうがいいよね、おかしいよ、それ。」と言ったが「しばらくすると治る」といってまた寝る。夕食は軽く食べて話もできるが、ちょっと動くと息切れする。寒さもあって早く布団に入りたがるので、日曜日はほとんど寝ている状態だった。
今朝、6時半ごろ、トイレに行ったあともゼーゼーと息切れがひどく、胸が痛いと訴えた。「今日こそ病院だよ。寝て治るもんじゃないからね」というと、「行く」という。ただ、4階までの階段が下りられるかを考えたら絶望的である。歩くリハビリを怠った本人も自信がなさそうだ。「今日こそ観念してね」と救急車を呼ぶ。
かかりつけ医も決まっておらず、介護保険も使っていない、自己判断で断薬した90歳の母に、救急隊員は驚きと呆れた様子。私が「本人が大丈夫と言い張って...」と言ったところで言い訳にしか聞こえないだろう。救急隊員の冷めた視線が痛い。すぐに酸素吸入をつけて病院へ。
医師の説明で病名は「心不全」。気管が狭くなって少し水も溜まっていたという。あのまま家にいたら危なかっただろう。本人は意識があって酸素マスクをしたまま「靴下の替えをもってきてね」とか相変わらずである。
その後、私を悩ませたのは兄への連絡である。今まで毒兄には母の入院は知らせなかった。知らせたところで横やりを入れて邪魔するか、たいてい機嫌が悪くなって罵倒される。しかし、今回は万が一の状況が起こりえるかもしれないので、病状は知らせず、「母、今朝、救急搬送で○○病院。2~3週間入院予定」と電報のようなショートメールを送った。もし、心配なら病状を聞くだろう。送ったのは朝8時半ごろだったが返事がきたのは昼前で「了解しました」だけ。
その夜、K叔母から電話があった。以前も書いたが息を吐くようにうそをつく叔母である。「今、○○(兄の名)から電話あったけど、お母さん入院したんだって?どうしたの?どこが悪いの?」。
(なんで兄はK叔母に電話したんだぁ......)
うそつき叔母にはうそで十分。「お腹の調子が悪くて、脱水気味でね。歩くのも4階だから階段も危ないから救急車を頼んだ」と伝えた。「○○(兄の名)がね、あなたが詳しく言わなかったけど、2~3週間の入院だって言ったから、じゃ、きっと骨折で入院だね、たいしたことないねって言ってたのよ~」。叔母こうして邪推やら尾ひれをつけて親戚中に嘘をふりまく。
私は兄に連絡したことをとても悔いた。怒りがフツフツと沸く。どうして兄は私に病状を聞かないのだ。母の面倒をみている妹に対して何か言うことはないのか?詳しい状況もわからないのに、なにをペラペラ親戚に電話してるんだ。母の心配などしてないのだろう。毎度毎度失望させてくれる究極の愚兄である。
今年は本厄年だが、まさかここまで厄が回るとは、とほほである。目の前にぶら下がている厄除御守もお疲れかな(笑)