鈴の文箱

日々の雑感(覚書)、本のこと(ネタバレあり)

近くて遠い病院

 私の住んでいる市は公共施設や医療施設のアクセスが悪い。自家用車ありきの設定なのだろう、やたら広い駐車場は完備されている。しかし、車を持たない人たちにとっては、バスの本数が少なく、かといって駅から歩くには体調が良くないとちょっと厳しい。コロナが流行り始めたころ、集団接種が市立体育館だったが、アクセスが悪い場所だった。市民からの不満の声に、駅前のホテルや商業施設を使うようになったのは新しい市長になってからだった。

 難病の申請のとき、初めて保健所に行ったが、バスを乗り継いで最寄りのバス停から5分となっている。そこからは近いと思いきや、歩道が建物を半周回った形なので、やたら歩く。市役所は線路沿いから見えるが、駅からの道が曲がりくねって遠い。図書館はその市役所の近くだが、多くの市民は近くの分館利用である。警察署は国道沿いの空き地にポツンとある。

 今回、母が救急搬送された病院は、子供のころから名前は知っているが、行ったことがなかった。搬送されたのち、一旦家に戻って母の身の回りのものを取りに帰るため、スマホで交通アクセスを調べるが、最寄りのバス停まで500m、本数は1時間に1本程度で駅方面には行かない。病院の無料シャトルバスが出ているが、最寄りのJR駅から家まで電車&バスになる。もう一つの私鉄の最寄り駅は自宅からはバスだけですむ。しかし、そのシャトルバスは1時間に1本。

 荷物を取りに行って、また病院に向かうには途方もない時間ロスで、しかたなくタクシーを使う。地図上、病院から自宅まで直線で結ぶと1.98km。2kmもない距離なのに、タクシー料金は1800円(涙)。毎回、病院にいくたびに往復4000円近い出費は激痛である。

 出費を抑えるには、自宅からバスで私鉄駅へ行き、1時間に1本のシャトルバスを利用するしかない。ところが、その私鉄駅行のバス、しばらく利用してなくて気が付かなかったが、すっかり本数が減っていた。結局、私鉄駅で30分ほど時間をつぶし、ようやく病院へ行くことができた。そのシャトルバスの利用者は私だけ。自宅をでてから1時間もかかってしまった。

 以前、地域包括センターに相談に乗ってくれた方に母の入院を伝えたら、かかりつけ医にできる機会ですから早めに介護申請してくださいと言われたので、病院にきたものの、担当看護師がいないので、お電話でご連絡ということで、5分もいなかった。

 そして玄関ロビーに向かったら、JR駅行のシャトルバスがあったので、それに乗り、電車とバスで帰ってきた。病院の滞在5分、移動時間往復約2時間。本日の午前はそれだけで終わってしまった(涙)

 救急搬送なので病院は選べないが、交通アクセスの良さは病院選びの必須条件と痛感した1日だった。